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« 「脱原発」の根拠――「未来の党」の惨敗やら何やら | トップページ | 脱原発の根拠――反論にお答えして »

2012年12月31日 (月)

「脱原発」の根拠――大多数の健全で合理的な判断

 前回は、どうやら「羊頭狗肉」になってしまいました。
 書き始めたら、予定よりどんどん長くなって、“根拠”にたどりつかないうちに「続く」にしてしまいました。

 余計なことを書いているとまた同じ轍を踏むおそれがありますので、肝心なところを最初に書いて、あとは余力のある限りということにします。

 「脱原発」の根拠には、何の複雑さもありません。単純至極です。

 何ごとにせよ、相反する立場のそれぞれに言い分はあるものです。また、その言い分の根拠はそれぞれに多岐にわたる場合が多いと思います。

 こんな場合、100の根拠・理由を挙げた方が、90の根拠・理由を挙げた方よりも妥当だと言えるでしょうか。そんなことはありません。最重要な理由が一つあれば、それに反対する理由が100あろうが、1000あろうが、その一つを優先すべきです。
 まあ、何が重要で、何を優先すべきかというところが難しい訳で、またその判断を下す資格がいったい誰に・どこにあるかが問われるのではあります。
 
 挙げようと思えば――いくらでも無限にとは言いませんが――私のような素人でも結構たくさんの根拠・理由を挙げることが出来ます。
 しかし、私としてはまず単純明快であることを尊重したいので、以下に単純明快なる「脱原発」の根拠を挙げることにします。

1 福島におけるような規模の原発事故が発生したら、
  それに「対処」することは基本的にできない
  それにもかかわらず事故発生の可能性があり、その可能性は決して低くない

2 原発を稼働することによって、放射性廃棄物が増え続けていく
  これを処理する技術は存在せず、
  後の世代に負債として残すのは倫理的に許され得ない

3 原発を稼働し続けるためには、現場で働く労働者の被曝が不可避である
  被曝が様々な障害を惹起することは否定できない事実である
  この被曝を前提にしなければ成り立たない原発稼働は倫理的に許され得ない

 たとえば、1についてさらに詳しく言うなら、こんなことが出てきます。

○地震多発国の日本に原発をつくるのは危険すぎて適当ではない
 地震によって事故が起きる可能性は大きく、
 いったん事故が起きたらその被害は天文学的なものになり、
 また取り返すことの出来ない国土の荒廃をもたらす

 広大な国土の隅に原発が立地しているならまだしも、日本のような国の場合、一回の事故だけで全土が汚染されてしまう可能性すらあります。
 「国やぶれて山河あり」とトホトホ歩きながらつぶやいた詩人がありましたが、「国栄えて山河なし」になったら、再起する道さえ閉ざされてしまうでしょう。

 稼げる間だけ稼いで、稼げなくなったら別の場所へ行けばいいというポリシーをとるなら、どんな危険性があろうと、今が稼げることを優先するのは確かに合理的な選択です。
 しかし、企業にそれが出来ても、大多数の住民にはそれは取り得ない選択です。
 「山河」の保全を優先するのが、大多数にとって合理的だと言えるわけです。
(以前、「国家」と「くに」について書きました。 「State」と「Nation」の違いです。「山河」というのは、「美しい自然」というような抽象的なものではなく、「Nation」である私たちの「くに」のことです)

 枝葉末節とは言いませんが、細かい問題はいくらでもあります。
 しかし、根本的なところは上の三つだと私は考えます。

 電気代が上がったら、企業が海外に逃げていってしまうという議論があります。
 これは、なんにでも応用が利く理屈のようで、「法人税を上げたら」とか「規制を強化したら」とか、いろんなヴァージョンが用意されているようです。
 しかし、企業がしていることって、最終的に「商品」を作ることです。いろんなカタチの商品がありますけど。
 「商品」っていうのは、そもそも売れてナンボのものです。これは、バカみたいな表現になってしまっていますが、それそのものなわけ。
 誰も買ってくれない・誰にも買えない「商品」を作ってどうなりますか。市場が必要だし、購買力を持った市民が必要なんです。賃金も払わないで、買ってもらうのだけは確保するって、どうしたら可能だと思えるのか私にはちっとも分かりません。

 だいたい「産業空洞化」っていうのは、四半世紀も前から言われているんです。

 もう一つ「細かい問題」を。
 石原慎太郎が(表現の綾ではなくて、まさにそれそのものの)バカの一つ覚えで言っていたのがアルミ産業のことでした。
 産業構造が時の流れとともに変わっていくのは、当然あり得る事実です。
 「産業界」が原発ゼロに反対していると言いますが、本当でしょうか。少し考えれば明らかなのは、原発ゼロになっていく方が儲かる人たちだって当然いるということです。
 「再生可能エネルギー」や「コジェネ」で一歩先を行っている人たちなどが分かりやすいでしょうか。

 現在の産業をそのままの形で継続させていくなんて、無理に決まっています。この無理を通そうとして押す横車は、無駄な努力というものです。無理を通すそうとするのは無理であり不自然だから、どうしても横車になってしまうのでしょうが。それが、「産業界」の代表みたいな顔をして、時々表に出てくる面々の醜さの理由だろうと思います。

 私が上に書いた「脱原発」の根拠三つは、普通の人が普通に考えていることだと思います。特別な情報があろうとなかろうと、自分の頭を使って考えることの出来る人たちなら、みんな持っている考えに違いありません。
 そういう大多数の人たちが、民主党政権の行なった調査でも「原発ゼロ」の意思を表明しました。

 そういう多数の意思を尊重しようとするのを「ポピュリズム」と評するものがいます。
 安倍政権はそういう国民の「希望」に応える意思がないと、とんでもない暴論を堂々とぬかしている。

 経済がどうこうと、知ったかぶりをして、大多数の普通の人たちの極々健全な判断を否定するものがいます。「脱原発」が十分すぎるほどに健全で合理的な志向だと分からないのでしょうか。

 電気料金が2倍になると、どこから聞いてきたのか。
 その試算をなぜ鵜呑みにするのか。
 私は不思議でなりません。
 大飯原発を再稼働しなければ、この夏は電気不足になると言っていたのも同じ情報源ではないのか。
 停電になる、生死の問題だと言っていたのが、みんなウソだったことは、既に分かっているのです。

 「脱原発」の是非について、何も難しい議論は必要ないというのが私の考えです。
 原発の維持・推進を自分たちの利益とする人たちがいることは間違いありません。それは、きちんと抑えておかないといけないでしょう。その人たちにはその人たちなりの根拠・理由があるのは当然です。生活がかかっているからと、原発の維持・推進を主張するのは、その人たちにとって合理的であり、また当然の権利とさえ言っていいかもしれません。
(「原発」の問題は、日本国内における南北問題の面があります)

 盗人にも三分の理、とまでは言わなくとも、そういう原発維持・推進派の唱える根拠・理由というものが、確かに存在することは認めてもいいでしょう。

 しかし、それに同意する必要はありません。

 それに同意したら、大多数の人間にとって非常なマイナスを結果するからです。
 
 以上が「原発」問題の構造だと私は理解しています。
 これから追求しなければならないのは、数の上では少数でありながら“声だけはでかい”彼ら原発推進派に牛耳られてしまうことなく、大多数の意思をどのように実現させていくか――つまり、民主主義の実現が問われているのだと思います。

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「福島原発」カテゴリの記事

コメント

 「よく引用されるこんな情報ありました。」さん、こんにちは。コメントありがとうございました。
 日本で原発を稼働するのも勿論ですが、これを国外に売っていこうという狂気の沙汰には呆れてしまいます。
 たまたまTVで観てしまったのですが、さらにひどいのもいました。橋下徹です。彼は、安倍晋三の原発セールスに注文をつけて、もっと“したたか”に商売する必要があるなどとのたまわっていたんです。原発を売りつけるとき、相手国に核廃棄物の処分も(日本の廃棄物です)同時に受け容れさせなければいけない、なんて言っていました。
 理論的な裏づけをするのはけっこう難しいですが、なんと言おうと“倫理”というやつは、確かにあるものだと私は思うんですね。橋下のような“ひとの道”からはずれた人間は、やはり外道以外のなにものでもない。そんなのを支持するのは、ぜったいに脳みそが腐っている(?!)というしかありません。
 コメントいただいたうちで、「常識23」の「アメリカは「日本の脱原発に反対なんかしていない」!」について、その根拠など含めて、可能ならばもう少し詳しくご説明くださるとありがたいです。どうかよろしくおねがいします。

★【原発常識30】【 http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/552.html#c633 】
===========
●基礎 〈4個〉
〈原発常識1〉■★原発は「【原爆】より、〈量的に〉危険」!→フクイチはチェルノブイリの4倍、広島原爆の4000倍の放射性物質が首都圏・東北にふりまかれた。
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/c61332351d06c44c1b52d1821d9c062a
〈原発常識2〉■★原発は「【公害〈化学的毒〉】より、はるかに危険」!→物質の深奥の問題なので、通常技術(電気・化学反応=電子の操作)で中和できず、100万年消えない放射能。
〈原発常識3〉■原発は「通常機械ではない」「冷却・管理できなくなればおわり」
〈原発常識4〉■★放射能処理装置や原発設備は、すさまじい放射能で【すぐボロボロ】になる。原理的にムリ!→ALPS「故障続き」「すぐ故障」は、偶然でなく、もともと原理的に不可能!

===========
●フクイチ 〈6個〉
〈原発常識5〉■★人類は「レベル7」を解決した歴史がない。→チェルノブイリ30年かかっても解決の見通しすらない。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201205020147.html
〈原発常識6〉■核燃料が「【地下水】に達すれば」、その国はおわり。
〈原発常識7〉■フクイチは、1~3号機が【メルトダウン〈たぶんスルー〉】
〈原発常識8〉■フクイチは、地下で【再臨界】→短命のはずのヨウ素131がいまだに出る。連鎖反応が続いている証拠。臨界すると放射性物質は1億倍増える。
〈原発常識9〉■フクイチは〈事実上〉「レベル8」!!→チェルノブイリを超えている!福島は①チェルノブイリができた石棺化ができず、②チェルノブイリにない地下水汚染が日本列島広域を永遠に汚染。
〈原発常識10〉■フクイチは【地震でこわれた】が、これをみとめると他の原発も不可能。

===========
●汚染 〈5個〉
〈原発常識11〉■★東京は、チェルノブイリ退去レベルの汚染がある。→全国3位。
http://p.twipple.jp/5aohc
http://financegreenwatch.org/jp/?p=37811
〈原発常識12〉■チェルノブイリでは「3000キロ離れた西欧」までひどく汚染された。→欧米諸国が「脱原発する」最大の理由がコレ。
〈原発常識13〉■【ミリのつかない単なるシーベルト《=1000ミリ以上》】とは、近づけば「即死」レベル!
〈原発常識14〉■★放射能のため「〈韓国どころか〉世界中」が日本食品〈+中古車等〉の【輸入禁止】をしており「日本政府を信じていない」!
http://www.asyura2.com/12/genpatu27/msg/295.html
〈原発常識15〉■★〈世界的常識〉【除染は不可能】!→【避難の費用は1/20!】

===========
●被爆・影響 〈4個〉
〈原発常識16〉■★原発健康被害は【遅発性】「3~5年前後から始まり7年後にピーク」。
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11380553912.html
〈原発常識17〉■★原発事故では、ほとんどの人は、癌+奇形以外の、「心不全、脳神経障害、感染症、成人病等の普通の症状の急激な増大」の要因で死んだ。
〈原発常識18〉■「トリチウム」「ストロンチウム」「セシウム」は、それぞれ、「水」「カルシウム」「カリウム」になりすまし【体内にとりこまれ】半永久的に生命を破壊する。「プルトニウム」はそれ自体超猛毒。
〈原発常識19〉■放射能の食品汚染は「時間がたつほど」危険!→放射線学の教科書の最初に書いてあるほど有名な【生態濃縮〈生物濃縮〉】効果!

===========
●エネルギーと政策 〈3個〉
〈原発常識20〉■「太陽光発電」は【原発20基分】が設立認可済!
〈原発常識21〉■★原発は【国防上、かえって危険】!
http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/842.html
〈原発常識22〉■【新原発技術】は全て「原理的に危険」!→新しかろうが古かろうが関係なく全部キケン!

===========
●国際 〈2個〉
〈原発常識23〉■アメリカは「日本の脱原発に反対なんかしていない」!
〈原発常識24〉■フクシマに恐怖する世界中が「脱原発」!→被爆の中心=日本人のみ狂気の原発推進継続!→ニッポンジン・バカデスカ?

===========
●電力会社 〈3個〉
〈原発常識25〉■最大の問題は【発送電分離】ができず「電力独占帝国」であること!
〈原発常識26〉■★電事法改正し、「発送電分離」し「総括原価方式」をやめないと、我々の電気料金・税金の上乗せ分は永遠に【原発推進3大プロモーション費用=①政界工作費+②マスコミの国民洗脳費+③地元黙らせ費】に使われる!世界中で日本しかやっていないオバカな「甘い汁システム」!!
〈原発常識27〉■「東電の、東電による、東電のための、政治」=〈1〉日本国最高権力者は「電力会社」!〈2〉「自民党」なんてパシリ!〈3〉「国民の命」なんて虫けら!→「電力会社の延命のために世の中の小さな事件まですべてが動いている」と仮定すると、すべてが非常によく説明できる。

===========
●結論 〈3個〉
〈原発常識28〉■原発は結局「単なる一部のやつらの醜い【利権】のカタマリ」
〈原発常識29〉■★あらゆる公害は【最終的には企業・政府側が「非」を認める!!〈時間がかかるだけ〉】★これから〈原発ゼロを宣言しないかぎり〉原発推進政党【 安倍自民+石原次世代 】が滅びるとしたら・・・その原因は原発・放射能問題!・・・ナゼナラ、これだけは、絶対解決しないから
〈原発常識30〉■もっとも罪深き者、なんじの名前は【安全神話】!

失礼いたします。初めまして。なぜ日本が脱原発に踏み切れないのか?それは「経済的合理性」を神とする世代が、まだ政官財界でリーダーシップをとっているからだと思います。これもある意味で「カルト宗教」だと思います。日本もうこれ以上物質的発展はありえないほど成長を遂げたのに、まだ大げさな大規模開発やらにこだわっている方々です。物質的発展=幸福だと信じて疑っていないのでしょうね。戦後の焼け野はらで育った彼らがそのように信じこむのは無理もないと思いますが。日本はこれからは「競争に打ち勝つ」ことよりも、先人の努力で勝ち取った富を「共有する」時代に入っていると思います。すると邪魔になってくるのが「優劣の観念」です。「あいつより俺のほうが努力したのだから、俺のほうがたくさん貰って当然だ!!」という思いです。この「他人より多く」「他人よりたくさん」という比較から起こる競争が資本主義を発展させ、物質的な豊かさをもたらしましたが、同時に「歪み」ももたらしたと思います。「イジメ問題」も、この優劣の観念がもたらしたものです。社会自体が優劣を競うイジメ社会ですから、子どもがマネをするのは当たり前ですね。ただこれは競争がイケナイとかいう極論をいいたいのではなくて、これからの時代は「前提となる意識」において人間に優劣はないのだという認識が広まっていくだろうと言いたいだけです。「結果の優劣」と「人間の優劣」は関係ないという認識です。結果はただのオマケです。

 コメントありがとうございました。
 福島原発の現在について、いろいろな情報が出ています。普通に考えて、かなり危機的な状況であろうことは間違いないはずですが、信頼できる情報を選別するのがとても困難です。

 そして、困ったことには、仮りに正確な情報を入手したとして、そこからどんな方向に結びつくのかという点で行き詰まってしまうのです。

 というのは、私は日本人の――通常の意味での――リテラシーをまるで信頼できなくなっています。まとまった長さの文章を、読んで理解できる人がいったいどのくらいいるでしょうか。

 私はかなり悲観的です。おそらく3割もいないでしょう。2割いるかどうか、といったところではないかと思います。
 文章を読んでも理解できないという人たちに、では動画を使って説明したらどうか?
 ところが、インターネットにアクセスして、そういった動画を参照することが出来る人たちというのが、やはり限られています。

 実を言うと、上記は私がいま苦闘している“地域活動”についての話なのですが、それがそのまま日本全体に言えるのが現在ではないかと思っている次第です。

内容、興味深く読ませていただきました。

私も貴殿と全く同じ論拠から反対の立場です。

ただ皆さんと少し異なるのは

1、事故が発生したら、「対処」することが基本的に出来ないもの。

2、処理できない産業廃棄物が増え続けていくもの。

3、システムを稼働し続けるために、現場で働く労働者の犠牲が不可避であるもの。

これに該当するのであれば別に「原発に限らず」全て反対せざるを得ないのが
ごくごく普通の感覚なのではないかと。

現実の話としてプラントエンジニアリングの設計基本として
上記の条件は最初から排除されるのが当たり前のことです。

理由も単純で「そんなシステムがマトモに稼動するわけが無い」からです。

それが何故「原発に限って」認められるのか。

主語が「原発」で無ければ100%認められないものが
「原発」になった途端に100%認められてしまう。

私は、もはやコレは「カルト宗教」の一種だと考えています。

とある技術者さん、
やまんばさん、

コメントいただきありがとうございました。
記事の方でお答えさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

オコジョさん、初めまして。ブログを読ませて頂きました。
私は素材メーカーに勤めている技術者ですので、その観点からコメントしておきます。

・>事故発生の可能性があり、その可能性は決して低くない
これは、原発の型式によって“可能性”に大きな差があります。
福島第一原発は1960~70年代のを無理矢理動かしたことに加えて、東電のザル管理のためにこんな事態になってしまいました。
ですから、安倍総理が最近言及していたように新しい原発に置き換えて、古いのは廃炉にするのがトータルのリスクは小さくなります。

・>原発を稼働することによって、放射性廃棄物が増え続けていく、これを処理する技術は存在せず
使用済み燃料の再処理によって成分分離後、ガラス固体化し、地層処分する技術がありますよ。また、再処理をすることにより放射性廃棄物の体積を圧縮することも可能です。処分場所の選定は民主主義的な手続きで決定する必要はありますがね。

・>原発を稼働し続けるためには、現場で働く労働者の被曝が不可避である
不可避だからと言ってしまうと、原発に限らず放射線装置類を扱う分野はどうするんですか?
そもそも不可避だからという概念は多くの製造業の存在自体が否定されてしまいますよ。私の会社でも新規ナノマテリアルの製造も開始しておりますが、健康に与える影響ははっきり言って不明であるのが現状です。私も何十年後かに重大な健康障害を煩うかもしれません。アスベスト問題など氷山の一角ということです。もちろん少しでもリスクを低減するよう会社として努力していますがね。

・>電気代が上がったら、企業が海外に逃げていってしまうという議論があります
先日、私の会社では電力料金の値上げのため、国内中心で製造していた製品の一つを海外へ半分ほどシフトすることが決まってしまいました。当然、国内の雇用は減少する傾向に入っています。“議論”ではなく、実際に起こっていることですよ。

・>「再生可能エネルギー」や「コジェネ」で一歩先を行っている人たちなどが分かりやすいでしょうか
私の会社では、産業用蓄電システムやスマートグリッドなどの再生可能エネルギー技術などの開発もしていますが、社内では多くが早く原発を順次再稼動させるべきという意見です。
なぜなら、電力需要の70%近くが産業用であり、一般的に一日中ラインを動かしていかないと品質と採算が向上しませんし、電圧変動の少ない質の良い電力が必要になりますので、現段階において再生可能エネルギーでは原発や火力の代わりには到底なり得ないからです。

ちなみに最も有力な代替候補の地熱発電ですら今から造りはじめても稼動が10年後です。
しかも国内最大の地熱発電所でありながら原発1基の25%というのが現実であります。
http://www.asahi.com/eco/news/TKY201204020650.html

また、よく安易に蓄電技術に期待する意見を見かけますが蓄電といっても所詮は電池です。電池ですから直流→交流→直流のロスはもちろんありますし、放電していけば電圧は変動しますし、電池部材自体がいずれ劣化するのでメンテもしていかなきゃならないのです。このような技術課題が多い現実が判ってますから再生可能エネルギー技術の開発環境を整えるためにも、社内では皆まだ原発は必要だという考えとなるのです。

産業用としては原発の代わりになるのは現状は火力発電のみですが、火力発電中心の場合では、エネルギー自給における安全保障と、燃料購入のための莫大な貿易赤字の問題があります。
ですから、安倍総理は再生可能エネルギーや火力発電用の新規燃料資源にも投資する一方で、尚且つ原発の新造も選択肢として残さざるを得ないという指導者として当然の考え方であり、一番現実的な路線を主張してるだけと言えます。


ところで、
>原発の維持・推進を自分たちの利益とする人たちがいることは間違いありません。
>生活がかかっているからと、原発の維持・推進を主張するのは、
>盗人にも三分の理、とまでは言わなくとも、そういう原発維持・推進派の唱える根拠・理由というものが、
>「産業界」の代表みたいな顔をして、時々表に出てくる面々の醜さの
>“声だけはでかい”彼ら原発推進派に牛耳られてしまうことなく、

これは言いすぎなのではないでしょうか?
再生可能エネルギー技術を開発する製造業のためにも原発は必要であることは述べましたが、
再生可能エネルギーの開発を行っている技術者の多くは“盗人”というわけですか…
これにははっきり言って腹が立ちましたよ。

初めまして。突然で恐縮ですが、あまり納得のいかない議論だったので、僭越ながら反論させて頂きます。
まず議論の前提として、原発問題を考える目的は「国民にとってどちらが良いか」という一点であるということを確認しておきます。
原発を使うか止めるかという選択は、国民を利するという目的のための手段の選択でしかありません。
つまり原発を使い続けたほうが多くの国民が助かるなら使い続けるべきだし、止めた方が助かるなら止めるべきということです。
ここまでで異論はありますでしょうか。
つまりあなたは「国民のために脱原発が必要だ!」とお考えだということで間違いないでしょうか。

1 福島におけるような規模の原発事故が発生したら、
  それに「対処」することは基本的にできない
  それにもかかわらず事故発生の可能性があり、その可能性は決して低くない

2 原発を稼働することによって、放射性廃棄物が増え続けていく
  これを処理する技術は存在せず、
  後の世代に負債として残すのは倫理的に許され得ない

3 原発を稼働し続けるためには、現場で働く労働者の被曝が不可避である
  被曝が様々な障害を惹起することは否定できない事実である
  この被曝を前提にしなければ成り立たない原発稼働は倫理的に許され得ない

あなたはこの3つを単純明快なる「脱原発」の根拠として挙げられています。勿論これ以外にも沢山の「脱原発」の根拠をお持ちのことと察します。
しかし原発を止めた結果、原発を使い続けているよりも多くの国民が死ぬ可能性も十分あると考えられるのです。経済が悪化した結果失業者や自殺者が増えることは十分に起こりうる事態です。
福島の事故で何人が亡くなったのか、今後亡くなるのかはわかりませんが、それ以上の人が原発を止めることによって亡くなられる可能性もあるのです。当然逆もありえますが。
また 原発を稼働することによって、放射性廃棄物が増え続けていく これを処理する技術は存在せず
とお書きになっていますが、これは極めて技術的な議論であって、専門家と言われる人の間でも議論が分かれる話です。福島での放射線の人体の影響についてでも、また今回の事故が防げたものであったか現代の科学では防ぎようのないものであったかについてでも、極めて専門的な技術的、科学的問題です。所謂安全派を「御用学者」、反原発派を「バカ左翼」などのようにレッテル張りをする意見に賛同できないのはもちろんのことですが、どうして専門家でも賛否が分かれる技術的問題を、失礼な言い方で恐縮ですがあなた如きに正しく判断できるというのでしょうか。はっきり言って私に不可能なことはもちろん、専門家で判断が分かれる議論をどうして国民の多数が健全で合理的に判断できるというのですか。
誤った判断を下して亡くならずに済んだ人を死に追いやってしまって、責任がとれるのですか。そもそもそんな重大な判断を行う権利が、少々テレビで見たとか本を何冊か読んだとかネットで調べたとかだけの知識しかもたない国民にどうしてあるのですか。

原発を使い続けるにしても止めるにしても、どちらにしても大きな大きなリスクがあるのです。使い続ければ当然事故で多くの人が亡くなる可能性があるし、止めても多くの人が失業し亡くなる可能性があるのです。この選択を行うには、原発事故や放射線リスクに対する科学的知見が必要なだけでなく、また決して完全に予測することのできない景気や世界情勢等の知見などを総合的に判断する必要のある、果てしなく長く複雑な議論が必要なのです。その議論の結果「よりまし」であると考えられる選択を行うしかないのであって、その結果脱原発のほうが多くの国民を救えそうだという結論ならば私は脱原発に賛成しますが、あなたの言うように「単純明快な根拠」だけで済む話では絶対にないし、そんな脱原発においそれと賛成など断じてできません。
必要なのは原発推進運動でも脱原発運動でもなく健全な議論です。
国民にできることや求められる義務は、知見をだし議論を行うことはもちろんですが、政府の議論が利害関係者の考えだけで進まないよう健全な議論が行われるよう監視すること、そうした健全な議論を行うと考えられる人格をもった政治家を選挙で選ぶこと、それくらいではないでしょうか。
自分の頭だけで絶対に原発推進すべしとか脱原発すべしとか、どう考えても正しい!などと思い込むのは、はっきり言って自分の理性の過大評価でしかないと思います。

国民レベルでの議論というのは非常に大事なことだと思いますが、
絶対に脱原発が正しい!と思いこむような議論が健全であるとは思えません。
突然の長文で申し訳ございません。
おそらく単なる私欲で脱原発を求められているのではなく、公的な観点で脱原発が良いのではないかと考えられていることと推察しますので、異論があれば是非お聞かせください。

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