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2018年6月11日 (月)

安倍晋三の「口から出まかせ」――北方領土問題

 以下は、山岸飛鳥氏のブログ『反戦な家づくり』の記事

  絵に描いた餅は食えない
  http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-1719.html

へのコメントとして書いた文章です。

 アクセス数のやたら少ない私のブログですから、この記事のブログ主さん以外の方に読んでもらうことなど期待せずに書いたものですが、書いた以上は、不特定多数の方の目に触れる可能性にも考慮した方がいいか、と気が変わった次第。

 というわけで、由来だけ付け加えて再アップすることにしました。
 破線以降が本文です。それではどうかよろしくお願いいたします。

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 たぶん、ある程度は長い文章になりそうだと思い、コメントではなくトラックバックを通じてメッセージをお送りすることにしました。以前、やたら長いコメントは遠慮してほしいというような指摘をされていましたから――。

 まず、私自身のツイートを転載します。

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玉木氏の質問は幼稚極まりないというレベルでした。日米同盟べったりの政党として当然の限界です。安保条約・地位協定を批判的に見られない徒党の。
貿易問題については蛙の面に小便でしたし、北方領土については、絶好の弁明(=新たな嘘)の機会を与えて、大感謝されたからこその握手でありました。
21:46 - 2018年6月1日
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 これは、山岸さんの以下のツイートに対するリツイートでした。

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山岸飛鳥 日本独立&絶対反戦 @sensouhantai
玉木雄一郎の党首討論の意味がわからなくて、モリカケやらないから安倍の味方と言ってる人たちは、安倍がなんで辞めずにいられるのか、安倍の命綱は何なのか、考えたほうがいいぞ。
安倍と命綱(トランプと極右)の間を割く なかなか鋭い討論だった …
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 ちなみに、私は同じ趣旨で中沢けい氏にもツイートしています。

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Satoshiさんが中沢けいをリツイートしました

発言しなかったことではなくて発言したことに耳を傾けていたら「握手」の理由は一目瞭然だったでせう。
アベは日露の首脳会談で成果ゼロだったことを非常に気にしている。領土問題が全く進展していないことも。それについて弁明できる(要は新たな嘘をつくための)機会を提供してくれたことに大喜びしたのです。

Satoshiさんが追加
中沢けい
@kei_nakazawa
党首討論。終わってから安倍首相は国民民主党の玉木代表と握手していた。モリ・カケを質問しないで貿易関連の質問だったからうれしかったのかしら?
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 さて、「玉木雄一郎の党首討論の意味」をお分かりである山岸さんが、あのようなツイートをされるのは、私にはとても不思議です。皮肉やら何やらで申し上げるのではありません。2012年以来、ずっとブログをフォローさせていただいている者としてのまっすぐな感想です。
 
 私は、森カケを取り上げなかったからといって玉木氏を批判してはいません。森カケも重要ながら、本来はアベの「政策」自体をまっこうから論じるべきものであり、それをしていかなければ先の展望もない、そして、アベ晋三のアキレス腱がまさにそこだと考えています。

 北方領土の返還について、プーチン氏はずっと以前から明確に言っています。これは多数のソースで確認できることで、機密事項でもなんでもありません。そして、当たり前の思考力のある者なら、その考えをもっともだと思うでしょう。

 だとすれば、日本が悲願としている北方領土返還については、二通りの方向しか存在しないと看做さなければいけない。
 一つは、プーチンに翻意させること、
 もう一つは、二島であれ四島であれ、返ってくる島に米国の基地が建設されないことの確保です。

 山岸さんが「なかなか鋭い討論」だったと評価される玉木氏の論点は、後者の選択肢に関わるものだったのですね。
 玉木氏は何と言ったか? 米軍基地なしを確保するための手段として、トランプ大統領からの確約/保証を得たらどうかと提案したのです。

 私は、その発言を「幼稚極まりない」と批判しました。
 まったく、あれでは口をとがらせた小学生の「お前のかあちゃんデベソッ」とほぼ同然のレベルです。

 玉木氏は、北方領土問題を解決するための真に有効な手段としてあんなことを言ったわけではありませんね。
 「ソーリ、あなたは日頃からトランプ氏とつーかーみたいをことを言っていますが、そんなひと言も引き出せないのですか」と言いたかった。そういう「シンゾウ/ドナルド」構図の(アベの言うのとは違う)実態を国民の目の前に示したかった――と思われます。
 山岸さんは、その意図を評価されたのですね。

 しかし、日米安保の体制が、そんな安易な手続きで揺らぐはずはありません。
 実際、トランプは「オバマの決めたことは全部引っ繰り返してやる」と言っています。
 トランプ政権が未来永劫続くわけはありません。一大統領のお言葉だけを頼りにして外交上の難題を乗り越えることなどできるはずがない、と私は考えるのです。

 立憲民主も同様で、民進党の系譜は皆「日米安保堅持」を謳っています。
 アベ政権もダメですが、彼らに「北方領土返還」などできっこないと私は思います。
 日米地位協定を改正する――出来得れば、現在の日米安保条約を一旦解消する。そこまでの議論ができない連中にロシアとの交渉などできるわけがありません。

 これは――山岸さんも同意されると思いますが――極々フツーの考え方です。
 プーチンが山口県に来たあとで、国会で辻元清美氏がアベと議論していたのをご覧になったでしょうか。辻元氏の質疑はまったく堂々たるものでした。
 経済協力をしたら、住民の対日感情がよくなって領土返還のための好材料になる、などと言っていたアベに対して、そんなものがロシア政府の政策を左右するはずがないではないか、と反論していました。
 アベには「何にしろ、やらないよりはやった方がいいではないか」というお粗末きわまる答弁しかできませんでした。
 実際には、なにごとであれアベが何かするたびに、ことは悪化するというのが真理なのですね。

 私の言いたかったことは、
 玉木氏は「お前のかあちゃんデベソ」なんかではなくて、最低でも辻元氏くらいの論陣を張って、ぐいぐいと押してみせるべきだったのではないか、
というようなこと。

 アベは口先では好き勝手なことを言います。
 北方領土問題は私の内閣が解決する、なんて大風呂敷まで平気で広げています。実際は何の見通しも展望もないのに、そういうホラを平気で言える。
 自分の言葉に責任を感じるということがなく、どんな嘘でもしゃあしゃあと言ってのけられるのが、彼の特技なのですけど。
 そういう嘘っぱちに、まっこうから、論理的に反論できるのは「日米安保」をアンタッチャブルとは思わない人たちだけでしょう。

 アベは何かをしているようなフリばかりをずっとし続けているのですね。
 何ごとであれ、本当に解決するためのヴィジョンなど最初から持ち合せていません。
 繰り返しになりますが、問題を解決するための手段を「論理上」持ち合わせ得ないからです。
 そのことをしっかりと国民の目の前に示すことこそが必要だと私は思うのです。

 アベは「拉致問題」を解決するヴィジョンも持っていません。
 そもそも「解決」とはどういうことなのか、それすらも分かっていないと思います。
 この問題については、機会を改めてます。

 もう一つありましたか。
 野党批判についてです。私にとっては当たり前の話なので、簡単に申し上げておきます。
 国民民主にしろ、立憲民主にしろ、あるいは自由党や共産党にしろ、批判するべきことは遠慮なく批判していい、いやむしろ控えてはいけないのではないか、と私は思います。
 伊藤詩織さん関連について逃げ回っている枝野幸男は、しっかりとその点について批判し続ける必要があるでしょう。小池新党参加に「全会一致」した経緯についても、民進党の諸氏には説明すべき責任があります。これはいくら時間がたっても変わるべきことではありません。

 批判の故につぶれるようなものはつぶれればいいのですし、選挙の時には(棄権せずに)野党候補に一票入れる、この一点だけ共有されていれば、あとは自由に議論した方がいいでしょう。

追加:
 日本人は、あまりに長いこと付き合わされてきたために、アベ晋三の「口からでまかせ」に結構慣れてしまっているのではないかと思われます。
 上の問題に関連して、もう一つだけ追加しておきます。

 現代は、例の「欧州情勢は複雑怪奇」なんてのがまかり通る時代ではありません。少なくとも民主主義国家が行う外交が奇々怪々であっていいはずはないのです。
 内閣は本質的に国民の代表として他国と交渉をするべきものです。国民大多数の声がその交渉にあたって強いカードになるのが実際です。

 鳩山/河野・一郎は国民の声を背にソ連に出かけていって、シベリアの日本人を帰還させました。
 最終的な決定に至るまで全てを国民から隠しておかなければならない交渉なんてものは、民主主義国家の外交ではありません。

 ロシアとの交渉が実は水面下で進んでいるとアベが言っていたのは、まったくの「口から出まかせ」です。上にも書いたように、論理的に進みようがないのですから。
 22回も会談を重ねたすえに何の成果も出せていないのがアベの「外交」です。この前の日露首脳会談ではまったくの「成果ゼロ」でしたが、その批判は彼の耳に入らずにはいなかったでしょう。
 しかしながら、自分の方から釈明の会見を開き、交渉は進捗しているが途中経過を明かすことはできない、などと表明しても、やぶ蛇になるばかりなのが当然予想されます。

 釈明の嘘っぱちを言いたいのにその機会がない――それが党首討論に臨んだ時のアベ晋三です。
 そんな時、玉木氏からあんな質問があった。ここぞとばかりに、現在は交渉中であり、今はまだ中身については言えない――ともったいぶった口調で答えられたアベには、玉木氏は後光がさして見えたに違いありません。
 思わず駆け寄って握手を求めた――のが真相だと私は(フツーに)判断しました。

 森カケに触れなかったのが握手の理由だったとしたら、なぜ片山虎之助には駆け寄らなかったのか? 説明がつきませんね。それとも、片山氏はハナから身内と決まっているから?
 ともかく、スガにしろアベにしろ、やたら「それについては答えを差し控えたい」を言い過ぎますし、議員諸氏も記者クラブ諸氏も、いったいどういう理由があって差し控える必要があるのかとさらなる追及をせずに、あまりにも安易にカンタンにそれを受け入れすぎると私は思います。

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